ロシア流奏法のイメージ
私は大学2年時より、フェイギン先生に師事しました。
当時はとても従順な生徒であり(いい意味でも悪い意味でも・・)、すごい先生らしい先生に習っている下手な自分という何か先生に対する恐れのようなものがあったのでしょう、、言われたことはとりあえず「はい!」と従って練習していた記憶があります。
第一回目のレッスンでは、とりあえずスケール、練習曲、曲とその時弾いていたものを弾きました。全部聴き終わってから、それらの細部にはあまり触れず。クロイツェル(定番の練習曲集)のある部分を右手手首のみを使って弾く、という課題が出ました。
この練習方法についてはまた後日詳しく書こうと思いますが、これらを続けているうちに、一年半くらい経った時に気がついたのです!!
今まで「弾く」ということは、弓を動かしているつもりだったが、実際は右手と右腕を横に動かしていただけ!!
本当は右手右腕を動かす、ではなくて、『弓をどう動かすってことじゃないか!?』と!!
文章から理解できますでしょうか?
みなさん無意識のうちに、弓は右手右腕を使って左右に動かすものだと思っていませんか??
違うのです。弓は、右手人差し指のコネクションによって、弓をどのくらいの圧力で、どのくらいの長さを使うべきかを考えてコントロールをされるべきものでした。
以前も書いた右手のコネクションの仕方に慣れてくると、今までの考え方がまるで違ったのだと気がついたのです。
コネクションについて考えるときにいつも頭に浮かぶのは、
“まるでバターナイフでバターを塗るみたいだ“
ということです。
バターナイフ=右手人差し指によるコネクション、つまり、バターナイフはバターに対して斜めにおいて横へスライドするように塗る=弦と接する弓に対して右手を斜めにして弓を動かして音を出す、と思うのです。
バターを塗るのに肘や肩を動かそうと思って塗りませんよね?
つまり、物が作用するところに対して意識することが優先で、それに付随する動き(肘や肩)は必要な場合のみ考えれば良いのです。
手首以下の部分を意識している!と思うかもしれませんが、それでもまだ物足りないのです。
多くの方は弓を持つときに上から持つイメージではないでしょうか。その状態で弓を横に動かす。。
バターを塗る感覚を同じだと思うと、弓に対して水平方向から弓を持ち、人差し指のコネクションにより弓をコントロールしているのです。
また、右手の指のコネクションを意識できてコントロールできたときには、肩から手にかけての無駄な力が抜けるのです。
右手を少し左に傾けて圧力をかけようとすると、右肘も自然な高さになるのです。
私はそれにより肩の緊張具合がかなり改善しました。
それまで一生懸命練習すればするほど両肩が痛くてしょうがなかったのです。
それを先生方に改善策を聞いたこともありましたが、いまいち解決していませんでした。
右手のコントロールによって音楽表現が容易に可能となれば、体を過剰すぎるほど動かすという誤った音楽表現手段を使わなくても良いのです。
とはいえ、当時はまだまだ体を動かしていたのですが。。。。
今は少し成長していると思います。。